システムを導入していただいた経緯を教えてください。
管理者がモニタリングによる安全管理を考えられていたため、3次元変位計測システムを用いた安全管理を提案しました。
当社技術では、伸縮計を応用してダム堤体にインバー線を設置し、インバー線の長さの変化で管理することになります。しかし本現場ではインバー線が長くなり設置も難しいことから、3次元変位計測システムを提案しました。
対案としてGPS計測も考えられましたが、リアルタイム性・コストの両面から、トータルステーションでの計測を採用しました。
運用されている方はどなたでしょうか?
担当は私です(齊藤様)。ダムシスから取得される生データを自社のシステムで解析して、週に1回くらい見てます。基準作りの参考として暫定的に警報メールを出すようにしているのですが、メールが出るような時は頻繁に見ています。
運用方法を教えてください。
ダムシスで計測した生データを自社システムで処理してグラフ化をしています。処理したデータを基に、現在ダム管理者と警報の基準作りを行っています。
季節によってダム堤体が変動するようで、冬になったら下流側に出てきているのです。堤体の上流側(水槽面)と下流側(日当たり面)の温度差で堤体が反っていることが原因と考えています。
システムを導入した効果をお聞かせください。
計測の効率:○ 10分に1回自動で計測するので、人がやるより断然効率的
作業時間:○
作業人員:○
データ処理や帳票の作成の手間:自社システムで処理しているので、ダムシスの表示機能は使っていません。
お困りになった点をお聞かせください。
データ誤差の扱いに苦労しています。日変動やデータ取得エラー、データの特異値の取捨選択の方法、その後の処理の自動化、警報を出す判断基準など苦労しています。
観測小屋ですが、台風が来るというので小屋に雨除けの屋根をつけました。また、透明アクリル窓ではPCやTSが外から見えるため、現在はコンパネで窓を覆って目隠ししています。
想定外の効果とデメリットはありましたでしょうか?
ダムに季節的な動きがあることが判ったこと。 10分ごとにデータが取れるので全体的な動きを経時で連続的にとらえられたこと。
今後やっていきたいことはありますでしょうか?
測点が多い場合、手測りする人件費を含めた労務費と比べれば安い。しかし計測をそもそも想定していない時より費用が発生してしまうので、その点を発注者側にどうやって理解していただくかが難しい。計測の文化を作っていきたい。
第三者に説明する機会が多くなってきました。それに伴い計測の必要性を関係者に説得する工夫が必要になってきました。「こういう時には計測を行いましょう」「安全のための管理は計測でまかないましょう」という決まりを作っていきたい。
スタッフの対応はいかがでしたか?
良い。設置後も電話で丁寧に対応していただきました。観測小屋の件(目隠し)を事前に提案してもらえればなお良かった。
技術面はどうでしたか?
私どもは主に地盤の計測をしています。ダム計測は今後増えていくと思いますので、素晴らしいと思います。
今後、計測ネットサービスに期待することはありますか。
協力してエンドユーザーに自動計測の文化を根付かせたい、そして更に運用しやすい形を模索していきたいです。
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